「ああ 無情」(レ・ミゼラブル)は、ビクトル・ユーゴーの名作だけど、デビット・ボーイが
亡くなったと聞いたとき、わけもなく、そんなタイトルが浮かんだ。ある方の生前の彼への優れ
たインタビューで、デビット・ボーイの素顔の一端を知り、深いため息が出た。
「ああ無情は、ああ無常」なんだー。
京都が好きだったんですね。超多忙の世界のあのデビット・ボーイが、京都に3か月も滞在していたなんて。座禅を実践していたようです。69歳、八白土性人でした。
「旅に病んで 夢は枯野を 駆け回る」目が覚めるころ、なぜか、松尾芭蕉の有名な俳句を口ず
さむのです。シドニーに来て52日目。50歳で生涯を閉じた俳聖松尾芭蕉と、天地を感じさせる与謝蕪村の世界が広がる。ともに、五黄土性人だった。
その一方、世界のメデア王ルパード・マードックは、84歳で、数日前ミック・ジャガーの元夫人のモデルと婚約した。また、超有名なプレイボーイの創刊者ヒュー・ヘフナーさん、89歳は、何回も映画の舞台となった乱痴気騒ぎの豪邸を260億円前後で売りに出しているとのこと。大富豪のヘフナーは二黒であり、自ら「悪名高い・マードック」と名乗った同じ大富豪は、六白金性人だ。10代のころ、この二人は、もうひとつの私の英雄だった。
わびと寂(さ)びの世界と、生々しい現実の酒池肉林と、歴史を変えようとした人物たちが、わが弱い脳みそを、かき回す。
2月に出す拙著「強運を創るー2016年の展望」に触れているが、革命家チェ・ゲバラたちだ。
医学から、数学、フロイトさらには詩人ボードレールまでを理解する真の教養人でありながら、弱者救済のために生きた九紫火気のチェ・ゲバラ。
政府軍に捉えられて、銃殺されるとき、言ったという。
「落ち着いて、よく狙え。君は今、人ひとりの命を奪おうとしているのだ」
伝記的映画だったか別の伝記では、上司が「頭を狙うな、腹部を撃て」と残酷な命令を下したと記憶しているが、定かでない。
旅にいると、相対界の「無常」がひしひしと迫ってくる。
ムッムッムッ むらっち