「やあ! お久しぶり! マツカン」少し興奮気味の自分の声に気が付く。
「おお! 先生! 20年前と同じ声だ。お変わりないですね。先生は確か私より10歳上でしたね」
「いや、16歳の差だよ、マツカンは、七赤だから」
マツカンというのは、本名ではない。愛称である。
毎月行くグアムから帰国、那須へ一泊し東京に戻り、支度して札幌へ行くため羽田空港のラウンジで、しばしほっとしたとき、東京の友人からメール。それが、マツカンのアドレスと電話番号であったのです。搭乗時刻が迫り、札幌のオフィスに着いてからの連絡となった。
20年前に、東京から姿を消して以来、初めての電話での会話である。星風アカデミー刊の「気学暦手帳」を開くと、(旧友、旧知の人物と再会または連絡)というべき事象、出来事があるときとある。なるほど、なるほど、と納得する。
20年間彼の消息を知らないわけでは、ない。ある地方の著名な県知事の応援議員として、たまにテレビに登場していたからだ。
「神主になるべく神職の資格を取得し全国の神社で修行していたのに、政治家になったか、それなら、それで大成して欲しい」と、テレビ画面を見ながら思ったものである。神職という9紫から6白への転身か、と気学的解釈をしてもいた。
才能のある男だが、国政までいけるか。他の適正もあるのでは、と言う印象があった。
札幌から、東京を飛び越して、真っ直ぐ大阪・伊丹空港へ。京都に落着き、その夜5、6年連絡の途絶えている元政務官で、次は大臣とされて活躍していたK先生の携帯に、電話をする。
その番号が使われているか、どうか、不明のままに。
気学的象意が、真実なら、つながって当り前と思いながら。
なんと、2コールで、直接ご本人の声。「どうも、村田先生、ご無沙汰です。KMです」と、いつもの気取りのない声に、この政治家の人気の秘密をみる思いがしたし、私の携帯番号が、先生の携帯に生きていたことも喜びであった。
旧友・旧知との再会の象意のままのむらっち