京都・山科(やましな)を、あさ8時半に出て、伊丹空港へ。枝美佳が、快調に車を飛ばす。オーストラリアはシドニーへ行く日だ。快晴、絶好の飛行日和だ。
JALのラウンジに入る。14時でいいのにはやく出掛けるのは、ラウンジで仕事ができ、かつ、くつろげるからである。
久し振りに青汁を飲む。ビールにいきそうな手をトマトjuiceと青汁に向けた。早速原稿を広げる。書きながら、関西からご参加の方の顔が浮かぶ。こんなときは、決まって何かある。
しばらくして、気になり、その方にメールをする。と、すかさず、返事が返ってきた。【伊丹空港に着いたけれど、passportを忘れた。取ってきますが、どんなことがあっても、どんな手を使っても、必ずや、シドニーへは行きますぞ!】と燃えるような鼻息(?) その心意気やよし! と思わず声をかけたくなる。一方、忘れるは一白の剋気か、うっかりは九紫の、遅れるは七赤の、乗り物の飛行機四緑、思わぬ出費は七赤、焦って三碧の剋気~と、一つの行為、ハプニングにいくつもの要素が、ゾロゾロとひっついてくる。当たり前かも知れない。人生の諸相は、角度を変えると、夜の東京タワーのように、何色にも輝く~(比喩がちぁうやろ!)
ひとり、成田空港へ。そこで、QF22便に乗る。カンタス航空のカウンターで、交渉する。【シドニー行くご婦人が、遅れている。何時まで出発は待てますか?】【その方のお名前がありません。伊丹空港から乗っていませんが】と言うカウンターの女性に、新幹線で、向かっているんです、と言うとあわてて【いま、どちらですか? もう、成田に着いていないと、締め切りますが】
携帯で新幹線の彼女に電話をいれようとすると、京都の若い女性社長から、ゆったりした口調で、電話が入る。焦る。【ちょっと待って、ごめん!12月のことは、あとで、いま、乗り遅れそうな方の件で、緊迫しています】
新幹線は、東京駅を出たばかり、とのこと。やり取りを聞いていたQFのスタッフが【残念ですが、間に合いません。申し訳ありません】
【ほかの航空会社の便は?】かなり立て混むんでいたが、聞くと、気持ちよくインターネットで調べてくれる。
【うちとJALが、シドニー行く便は、最終で、もう、本日はありません】
新幹線の彼女にそのむねを伝えてQF22便の人となる。
今朝、7時15分キングスフォード・スミス空港に着。さっさとタクシーを拾う。
タクシードライバーをみて、ビックリ! バラック・ オバマ大頭領がハンドルを握っている、そう、思って、【いつ、転職したのよ、あるいは、双子かよ】と言いたかったが、寝ぼけたあたまに英語は浮かばない。ので、【オバマ大頭領にそっくりだね】と平凡に聞くと、しきりにてれている。そして
【どこからきたのか? ビジネスか?】と話しかけてきた。【東京からだけど、仕事が半分、ホリディが、半分で、今年はシドニー4回めだ】ほんとうは、40回近く来ている。が、それを言うと、色々質問されるにきまっている。そうしたら、語学ができないのが、バレるじゃないか。
そもそも、海外で、ドライバーに必ずはなしかけるクセは、ボラれないための姑息な手段に過ぎない。
先に宿泊先のマキュアホテルに、荷物を降ろし、そのタクシーで、フォーシーズンホテルに急行する。東京から先にきている、青年実業家のお誘いにのって、そのホテルで朝食をごちそうになる約束だったのだ。
彼は、ロビーで、静かに本を読んで待っていてくれた。
これで、京都・山科から、はるばる成田空港経由のシドニーにきた甲斐があった。ハプニングはあったけれど、旨い、楽しい朝食のひとときを、たのしめたのでした。(七赤と再会の九紫の祐気か)
シドニーのひとときの むらっち